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1月26日 福山にて

尾道ではいつも、尾道ベストカップル賞間違いなしの山口夫妻宅に泊めてもらっているのだが、最近空き家再生プロジェクトの流れでゲストハウスもオープンしたそうなので、これはますます尾道に遊びに来るしかない!
ゲストハウス「あなごのねどこ」
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商店街に面して「あくびカフェ」があり、脇の長細い隙間を通るとゲストハウスの受付がある。
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抜けると中庭!なんという事でしょう!この細い部分は一体・・・
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この日は浄泉寺という立派なお寺で、ヲルガン座フェスがあった。
美味しいご飯にライブにファッションショー、雑貨屋、服屋、本屋、美容室まであった!
ヲルガン座界隈でなじみの方々はもちろんの事、久々に会う友達も来ていたりして、同窓会のようだった。そんな中、蛇口文庫という本屋があって、並んでいる物がほぼ下北沢「気流舎」で、私の中の東京と広島が同じ場所にあって面白かった。お店をやってるのは茂木君という男の子で、気流舎界隈とつながりがあり、震災後、しまなみの生口島→大阪西成COCOROOM→尾道と流れ着き、店舗なしで小さな本屋をイベントなどで展開しているとのこと。今度、鳥取で「セルフビルド本屋を準備中」でお馴染みのモリテツさんを追った映画を尾道で上映するんだよ〜なんて話になって、おおお色々つながってんですね〜!と盛り上がりました。上映会は2月2日ですって。

アットホームなヲルガン座フェスを後にして、福山鞆の津ミュージアムへ向かう。
これこれ!力作ですなぁ。
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中に入ると、「ニコニコ!」とヒカルさんの声が飛んできて、わぁわぁどうも!とほっこりするが、まずは展示を見ねば!しかし時間がない!しかもテキストだらけ!
とりあえず、ケイタさんが書いたキャプション文は全部写真に撮って後で読む事にして全体を眺める事にする。アトム書房のトーク、今まで何度も聞いてきて良かった。。解読の時間を省き、所々の仕掛けに目を向ける事が出来た。初めて触れるという人は、かなり時間に余裕を持って行ってほしい。
会場には、ケイタさんの文章とヒカルさん手書きのチョロ文章が至る所に並んでいる。2人のトークショーが大好きな私にとっては、これだけでたまらない光景。
そうして後でケイタさんの文章を読んで、再び心の底から感動した。ヒカルさんがやってきた事ひとつひとつが、単に奇抜さをウリにしている訳でも、突発的なアイデアのみに頼ったものではない事をすごく丁寧に説明していて、すべてに合点がいってしまった。ヒカルさんの「表現」とは何かを考えた時に、そこに社会的通念に対する疑問や発見があり、暮らしそのものに直結する事だからこそ、強度を感じるし、向き合っている物事や人との関係性において、敬意と愛情を感じるからこそ、惹き付けられる。ケイタさんの文章にはまた、そんなヒカルさんへの敬意に溢れてて、たまらなかった。
かつ、これはダダオが言ってて、後で読んで私も共感したんだけど、括弧の使い方に愛を感じる。沢山の登場人物を私自身も知っているからこそかもしれないが、ヒカルさんの半径100メートル内の人間関係が、ヒカルさんの個展会場で脈々と感じられる、という事がとても嬉しかった。
「作品」を観た、という感覚がこれ程ないアート展示はそうそうない。美術館で展示する、という時点である程度「作品」としてパッケージ化されてしまうと思うし、そういう眼で観てしまうと思うけど、そこを自ら突き破って、直に感じてほしい展示だと思いました。その為の仕掛けが沢山用意されていると思います。
ケイタさんのキャプションの最後の一文がとても好き。
「山下陽光ほど予断を許さない人物はなかなかいません。仲間を集めて先陣を切って酒を飲みはじめいきなり寝ます。今後も注意深く見守る必要がありそうです。」

↑まさに、その日の打ち上げ2次会の席で速攻寝て、朝まで起きなかった笑。

ちょっとだいぶ長くなってきたけど、坂口さんとのトークについても備忘の為に。
初めて聞く2人のトークは、噛み合ってなさすぎてめちゃくちゃ面白かったです。普通こういう時は、お互いの活動に対しての共感やさらなる展望について語り合う事が多い中(しかもヒカルさんと坂口さんの場合、表面的な部分で共通項があるにも関わらず)、お互いの言葉がうろうろ彷徨いシュンッと消えていく。しかし話のセンス抜群の2人。ひとつひとつのトピックがとても面白いし飽きる事はない。噛み合わない事で、2人の違いは何なのかと考えるので、より深く知る事にもなったんじゃなかろうか。2人が同調した部分で印象的だったのは「Yahoo知恵袋の仕組みについて」の話。何を聞いても答えが帰ってくるYahoo知恵袋だけど、なぜ答えてくれる人が必ずいるのか。回答者はどうやって質問にたどり着くのか?回答を検索してるのか?というヒカルさんの疑問には坂口さんも「それ面白いね」と同調した。ちょっと話が盛り上がりそうな瞬間でした(やっぱりすぐシュンッと消えていったけど)。
あと、坂口さんが最近のヒカルさんを「ロハスロハス」と揶揄しているのが面白かった。そんな風に思った事なかったけど、坂口さん自身もOlive的な、Ku:nel的な感じに惹かれてしまう自分と必死で闘っているらしく笑、その分析にちょっと納得がいった。「ロハス」と聞いて私は前日歩いた尾道が浮かんで、ヒカルさんもこういう感じ好きだと思うけど、ここに安住するのはちょっと違うかな、と思った感覚と坂口さんの揶揄している事は通じるような気がした。
でも結局のところ、ロハスだろうが前衛だろうが、脳みそ開いてようが閉じてようが、何にも囚われず自由でいるのが一番なんだけど。
坂口さんは「最近、分裂しながら真っ直ぐ歩く練習をしている」と言っていた。坂口さんの場合、躁鬱の事を言っているけど、自分にも当てはめて良い言葉だと思った。

地元長崎で、今までと全く違う生活を送ってるヒカルさんの今後はいかに!
どうあっても、楽しみです。


打ち上げで、ダダオがとっても楽しそうにしていて良かった。

↓早朝、福山の街をフラつく、広島の粗大ゴミこと、平成の山路商こと、ダダオ↓
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by nicolaus_92 | 2014-01-31 01:08